2022年9月19日
目尻切開について
目元の改善のため当クリニックで行うアイ・デザイン治療は図-1の如く上下眼瞼(④と②)、目頭(①)、目尻(③)があります。治療頻度も下眼瞼(②)>上眼瞼(④)>目頭(①)>目尻(③)です。
最近はこれらの治療を複合的に行い、良好な治療結果が得られています。今回は下眼瞼と目尻の複合治療について述べたいと思います。
通常目頭切開、目尻切開は、目を水平方向に広げる目的で行われます。しかし下記症例写真-1の如く、両眼内側距離が短い場合、目頭切開を過度に行うと、両眼内側距離がさらに短縮し、目と目が寄って見える恐れがあるため、目頭切開は不適切となりかねません。
こういった症例の場合、目を水平方向に広げるには目尻切開が考えられます。しかし、目尻切開において切開可能範囲は非常に狭く、目尻切開単独で効果的な結果が得られる事は難しいとされています。
そこで当クリニックではアイ・デザイン治療の一環として、 より効果的な開眼効果が得られるよう 下眼瞼(②)形成術と目尻(③)切開を複合的に行っております。写真-2(治療前正面拡大)と写真-3(治療直後正面拡大)を比較すると、治療直後から両目が水平方向に拡張されたことがわかります。
次に下眼瞼形成術と目尻切開を複合的に行う方法について述べます。図-2で目尻に図示した青色の上下三角ブロックの如く、目尻を外側に約1ミリほど楔状切開します。目尻上下皮下レベルで十分に剥離します。
次に図-2の緑点線のように目の裏側で結膜外側を下眼窩隔膜全面で剥離します。緑矢印の如く、下眼瞼腱板縁とその下方のLower Retractor(Capuslopalpebral Fascia)を短縮縫合し、下眼瞼外側をやや下げるように調節します。この両操作で目尻が伸展し、良好な開眼効果が得られます。
治療前(写真-1)と治療3週間後(写真-4)を比較すると、上記治療効果により目を大きくする(開眼)と垂れ目(下眼瞼下制)効果が得られたことが分かります。