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2022年9月19日
当クリニックで行う目の下のクマ(くま)、たるみ治療(下眼瞼形成術)の特徴-4

過去に行われてきた皮膚切開法と当クリニックの経結膜的下眼瞼形成術との違い

従来まで一般的に行われてきた皮膚切開法を用いた下眼瞼形成術では、下眼瞼皮膚切除幅を過度に行うと下眼瞼の外反(いわゆる”あかんべー状態”)が発生する危険性を伴うため、皮膚取り幅の決定は極めて慎重な姿勢が必要である。そのため皮膚切除量の決定は、座位にて開口及び上方注視させ、下眼瞼皮膚に最大限緊張を加えても外反しないよう配慮しなければならない。

さらにこの方法では、皮膚切除幅に配慮するのみでなく、治療手技自体も極めて慎重に行わねばならない。その理由は皮膚切開を行うと、眼輪筋と呼ばれる目の表情を司る筋肉及び、それを支配する顔面神経末梢枝に何らかの損傷を与えかねない。この損傷を最小限にに留めることがこの治療の正否に関わる重要なポイントとなる。

眼輪筋のように目元の繊細な表情を形成する筋肉に損傷を与えると、いわゆる”目袋”と呼ばれる眼輪筋の膨らみによる優しい目元表情を失ったり、下眼瞼の外反(いわゆる”あかんべー状態”)を助長させる恐れがある。この事実が皮膚切開法を用いた下眼瞼形成術が、美容外科の中で最も難しい手術の一つと言われる所以であろう。

また治療後の回復期間(ダウンタイム)がこの治療では遷延がこの治療を受けようとする患者の大きな障壁となっていることも言及する必要がある。下眼瞼皮膚切開を行うと、皮膚、眼輪筋、皮下軟部組織と侵襲部位が多くなるため、腫れや内出血を引き起こす可能性が高くなる。

下表-2の如く皮膚切開法では皮膚切除、皮下剥離、眼窩脂肪皮下軟部組織の処理、さらに皮膚縫合と手技量が多くなるため、治療時間が少なくとも90分と長引く。ダウンタイムは手術時間と比例すると言われており、当然手術時間の長びく皮膚切開法では回復が遷延する。

皮膚切開法(過去に一般的)

切開部位: 皮膚、眼輪筋、軟部組織
治療時間: 約90分
ダウンタイム: 10~14日間
デメリット: 傷跡残存、下瞼外反の可能性あり

経結膜法(当クリニックで専門的に行う方法)

切開部位: 結膜、軟部組織
治療時間: 約30分
ダウンタイム: 3~4日間
デメリット: 特になし

筆者が美容外科研修を開始した2001年頃、この治療は皮膚切開法が主流で、筆者自身も皮膚切開法300例程行った。極めて慎重な姿勢で皮膚切開法を行う限り、傷跡や下眼瞼外反などの後遺症は、ほぼすべて回避することが出来たが、治療前のインフォームド・コンセントで治療のリスクを説明すると、患者さんがこの治療を拒むといった事態にしばしば遭遇せざるを得なかった。

また、通常のくま、たるみ患者さんの皮膚切除量決定に際して、下眼瞼外反の発生予防を最優先に治療を行うことが極めて重要だが、そのような配慮のもとに治療を行うと、実際の皮膚切除量は数ミリとわずかであり、皮膚切除の意味自体に疑問が余地が残った。

このような経緯から皮膚を切開法をせずに、目の下のクマ(くま)やたるみを改善する方法を模索していた筆者は、米国で経結膜的に行う下眼瞼形成術を見学し、この方法こそがリスクを伴わない優れた方法であると判断した。その後この方法を習得し、筆者は2005年4月から2010年12月まで、約5000例の目の下のクマ(くま)、たるみ解消目的に経結膜的下眼瞼形成術を行った。

この方法は皮膚とその直下の眼輪筋を損傷しない最大の利点がある。皮膚切開と眼輪筋を損傷しない限り、表-2の如く切開法に伴う最大の欠点であった傷跡残存や下瞼外反変形等を確実に回避出来る。また経結膜法の技術が洗練されると、治療時間は約30分と皮膚切開法に比較して1/3程度で治療出来る。また治療後のダウンタイムも1/3程度に短縮するので、治療に向けて長期休養を取る余裕のない多忙な現代人たちにとって、より好ましい治療と言えるであろう。


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