診察
写真1、2を見ますと、右頬部に直径3cm程の大きなシミを認めます。これは老人性色素班(いわゆる紫外線による老化現象としてのシミ)と診断しました。
目の下のクマ(くま)、たるみは目の下の過剰脂肪が原因によるもので、目の下の表情しわも目立っています。
眼領域を含めた身体所見、特に異常なし。
薬のアレルギー:なし
飲酒:飲まない
たばこ:吸わない
血圧: 108/71 脈:70
既往歴:とくになし
脂肪量:中等度、右 = 左(外側に脂肪蓄積なし)
色素沈着:特に認めない
蒙古ひだ:ほとんどなし
眼球突出:なし
経過
知人の紹介で、頬のシミ治療を目的として当クリニックを来院されました。その際、約40年前から現れた目の下のクマ(くま)、たるみの治療の可能性についても尋ねられました。ご本人の両親にも同様な目の下のクマ(くま)、たるみがあったので、しょうがないとあきらめていましたが、もし皮膚切開などの手術をしないで改善出来るのであれば治療を受けたいと考えています。
治療方針
シミに関してはQスイッチ・ヤグレーザー(532nm) にて治療することにしました。
目の下のクマ(くま)、たるみは、目の裏から傷跡を残さずに治療できるのであれば治療を受けたいとの希望があったので、しわなどがある程度残る可能性があることを理解して頂いた上で目の裏からの治療を行なうことにしました。
治療後の評価
治療後1ヶ月の写真3、4を見ますと、治療前に存在した右頬のしみは以前と比べてかなり薄くなっています。このようにレーザーに良く反応する場合は、前回の治療から2ヶ月程経過してから再レーザーを行なうと、さらに改善することが期待出来ます。最初にお支払い頂いた料金分(2ヶ月おきに3回の照射)で、最初の治療から半年後にほとんどしみは目立たなくなるでしょう。
次に目の下のクマ(くま)、たるみも、治療後1ヶ月の写真3、4を観察しますと、ほぼ改善していると言えます。しかし、年齢が71歳と高齢ですから、当然しわなどが完全に消失するというわけには行きません。しかし、治療後に明らかに目立つようになったしわ等がが現れてもいませんから、このような高齢な方でも皮膚切開することなく、目の裏からの治療で十分な結果が期待出来ると言えます。
今後、眉間や口元を代表とする顔全体に生じているしわ及び、シミに対するスキンケア治療を行なうと、このような高齢な方でも画期的な若返りを期待出来るでしょう。