診察
症例写真1,2の如く、目の下のクマ(くま)、たるみ症状を認めます。下眼窩脂肪量は右>左のため、目の下のたるみも右>左です。また以前よりアトピー性皮膚炎による下眼瞼皮膚に色素沈着あり、目の下の クマ(くま)が一層強調された症例です。
経過
以前より目の下の クマ(くま)、たるみで悩んでいたそうです。友人の紹介により当クリニックに治療を求めて来院しました。
治療方針
まず最初に目の下のクマ(くま)、たるみ治療(下眼瞼形成術)を行うこととしました。治療後に残存した下眼瞼皮膚色素沈着は、アトピー性皮膚炎を治療しながら同時にハイドロキノン、ビタミンC・ローション塗布など、漂白効果のあるスキンケア治療を行う予定です。
治療後の評価
治療直後の写真3,4を観察すると、腫れは最小限で治療は良好に終了しました。治療翌日の写真5,6を観察すると、両下眼瞼の軽度腫脹を認めますが、日常生活に支障を来さない程度でした。治療1週間後の写真7,8では、下眼瞼の腫れは解消されましたが、眼輪筋部(いわゆる”涙袋”)の腫れが残存しているため、目の下の色素沈着が一時的に強調されています。治療1ヶ月後の写真9、10を観察すると、治療1週間後に認められた黒ずみも大幅に解消され、良好な結果が得られ始めました。しかし、この症例のようにアトピー性皮膚炎を併発している場合、手術による目の下のクマ(くま)の完全解決は不可能です。より良好な結果を得るには、漂白効果のあるスキンケア治療を継続して行うべきでしょう。
この患者さんの場合、目の下のクマ(くま)のさらなる改善効果を求め、治療4ヶ月が経過した時点で下眼瞼色素改善レーザー照射治療を行いました。(YAG 1064nm LASER)
色素改善レーザー照射治療後、目の下のクマ(くま)治療6ヶ月後の写真11,12を見ると、手術治療後に残存していた色素沈着がやや減少しました。色素改善レーザー照射治療は、2~3回行うと良好な結果が期待されるでしょう。