診察
症例写真—1~4のように、目頭から斜め下方向に向かって、直線上の“目の下のクマ(くま)”が目立ちます。写真−2を良く観察すると、両側目の下の内側から真ん中にかけて軽度の脂肪蓄積と色素沈着を認めます。
経過
目の下のクマ(くま)(写真−1矢印のような目頭から骨のラインに沿ったくま)について数年前から悩んでいました。他院を受診したところ、ヒアルロン酸の注入を勧められました。もう少し検討するとの事で、他院での治療をその時は見合わせました。ホームページで当クリニックを知り、再度同様の問題に対してカウンセリングのために受診されました。
治療方針
年齢が若く、目の下の脂肪量(ボリューム感)は少ない。目の下の色素沈着を軽減させたいのであれば、目の裏からのアプローチによる脂肪除去治療が有効であると判断しました。しかし、目頭から直線上に伸びる“目の下のクマ(くま)”は骨のラインが浮き出ているせいなので、このライン上にヒアルロン酸を注入することにしました。
治療後の評価
治療直後の写真5、6では局所麻酔の影響のため、白っぽく見えます。両側内側から真ん中にかけて脂肪が除去されたため、その部位が平坦になっていることがわかります。治療翌日の写真7、8では目の下の腫脹が認められます。特に右側でやや赤く腫れているのがわかります。
治療二日目の写真9、10のように、腫脹、赤みはすでに解消されているのがわかります。患者が24歳と若いことと、元来、目の周りの治療の回復は迅速であることから、このように短期間で自然な状態に近づきます。治療後7日後の写真11~14は目頭から直線上に伸びる“目の下のクマ(くま)”にヒアルロン酸を注入後に撮影しました。この“くま”もヒアルロン酸によって、目立たなくなっています。患者様本人は眼輪筋(涙袋)が現れたことと“目の下のクマ(くま)”が解消した事で非常に満足されています。
写真15のように除去された脂肪量は少ないが、その大小に関わらず、脂肪除去による“目の下のクマ(くま)”改善効果は多くの場合で期待できます。この患者様で特徴的なのは目頭から直線上に伸びる“目の下のクマ(くま)”でしたが、今回はヒアルロン酸で解消されました。目の下に注入したヒアルロン酸の吸収速度は遅いこと、そして脂肪除去によって皮膚への力学的作用点が変わるため、一度のヒアルロン酸注入で半永久的に“くま”が改善されることも少なくありません。
治療後一ヶ月が経過しますと症例写真15~18のように、腫れはほとんど認めず、自然な仕上がりとなります。ご本人はいわゆる”涙袋”(眼輪筋)が現れるようになり、前々から気にしていた目の下の悩みから解放され、大変満足して頂いています。