診察
目の横幅距離:約33ミリ
目と目の間距離:約38ミリ
目の下のクマ(くま):色素沈着あり。目の上転時に確認出来る目の下の過剰脂肪あり。
脂肪量:右<左
蒙古ひだ:なし
眼球突出:軽度あり
身体所見上:特に異常なし
経過
この患者様は長年“目を大きくしたい”と思っていました。今回は“美容外科的に少しでも目を大きくすることが出来るのか?”についてカウンセリングに来られました。
これまでに主な美容外科的治療の経験はありません。
治療方針
写真1-4からわかるように、目が小さい印象を感じさせます。この患者様の場合、目が小さく見える原因が二つあります。
一つめは目の横幅より目と目の間の距離が約5ミリほど長いためです。
二つめは目の下に過剰脂肪が存在し、目の開きを悪くする要因となっていることです。
さらにこの症例は目の下のクマ(くま)(色素沈着)が目立ちますが、やはりこの過剰脂肪の存在で悪化しています。
上記2つの要因を改善するため、目頭切開と目の下のクマ(くま)、たるみ治療を行いました。
目の下のくま治療について
目の下のたるみ治療について
治療後の評価
写真ー5のように目頭切開の距離は両目ともに内側に約2ミリづつ切開しました。論理的には両目横幅が35ミリに伸び、目と目の距離が34ミリとなります。しかし、実際には2ミリ切開しても、0.5ミリ程度は元に戻ることが多いので、両目横幅34.5ミリ、目と目の間の距離35ミリ程度となると予想されます。
目の下のクマ(くま)、たるみ治療は目の下の色素沈着改善、および目の開きを改善し、目を上下に大きくする目的で行いました。
治療直後の写真-6,7を観察すると、目頭切開治療後の縫合糸とその後が赤く見えます。
目頭切開治療と同時に、目の下のクマ(くま)、たるみ治療を行いましたが、腫れ等はあまり目立っていません。
摘出された脂肪の量は通常ですが赤い色調が強く、目の下のクマ(くま)が濃く見える原因であったと言えます。
目頭の皮膚片は上下2個ずつ、左右対称になるように切除しました。
治療1週間後の写真-8,9を見ると、治療前と比べると顔に対する目のバランスが良くなりました。これによって、治療前の“目が小さい。”という印象は大幅に改善されました。
目頭切開治療における傷跡は抜糸時である治療1週間後にはほとんど目立たなくなります。その後、傷跡の赤みが現れますが、この赤みも治療後2~3ヶ月で少しずつ消えてゆきます。
目の下にある眼輪筋(いわゆる涙袋)が腫れているため、一見目の下のクマ(くま)は改善していないように見えます。しかし、色素沈着を濃く見せている原因である、過剰脂肪等を除去したので、眼輪筋のむくみがとれる治療一ヶ月後には目の下のクマ(くま)も大幅に改善するでしょう。