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当クリニックで行う目の下のクマ(くま)、たるみ治療(下眼瞼形成術)の特徴-3

2011.03.10

目の下のクマ(くま)、たるみ治療(下眼瞼形成術 )の手術進入アプローチ

目の下のクマ(くま)、たるみ治療(下眼瞼形成術)の進入アプローチは図-1の如く隔壁前方から進入する前隔壁(anterior-septum)アプローチと、その後方から進入する後隔壁(retro-septum)アプローチの2方法がある。我が国で従来まで行われていた、いわゆる”脱脂法”と呼ばれる経結膜的下眼瞼形成術は、後隔壁(retro-septum)アプローチであった。だが欧米諸国では前隔壁(anterior-septum)アプローチを用いることが多く、この技術を海外で学んだ筆者も前隔壁(anterior-septum)アプローチを用いて治療を行っている。

図-1

下眼瞼形成fig-1

この2通りのアプローチの意義を知るには、下眼瞼の解剖学的構造を理解しなければならない。図-2の如く下眼瞼皮膚直下には眼輪筋、その下に眼窩脂肪を眼窩内に収納する隔壁(septum)が存在する。中高年層に発生する目の下のたるみは、図-3の如く隔壁後部にある眼窩脂肪が加齢とともに弛緩した隔壁を前方に押し、皮下近くに脱出することが原因であるとされる。

図-2

下眼瞼形成術-2

図-3


下眼瞼形成-3

脱出した眼窩脂肪は、ある程度の可動域を有する前方先端部から滑り出し、後部眼窩脂肪は眼窩骨膜に比較的密に結合してるため後部脂肪は脱出しにくい。眼窩脂肪の前・後部にはこのような構造的相違があるため、前方から進入する前隔壁(anterior-septum)アプローチと、後方から進入する後隔壁(retro-septum)アプローチでは治療結果が異なる可能性が生じる。その違いを簡潔にまとめると、下表-1の如く特徴がある。

後隔壁(retro-septum)アプローチは眼窩脂肪に直達出来、技術的に容易であるためこの治療の初心者が用いるべきであろう。だかその適応は下表の如く、限定されていることを念頭に置かねばならない。 目の下のたるみの直接的原因は可動域のある眼窩脂肪前部であり、出来れば前部から脂肪除去を行うべきだが、後隔壁(retro-septum)アプローチでは眼窩脂肪後部から除去することになる。

つまりこのアプローチでは最前方部位からの脂肪除去が不可能となり、脂肪除去量を正確に決定出来ない。そのため、脂肪除去は控えめに行わざるを得ず、再発や不完全な治療結果をもたらしやすい。また治療適応も必要最小かつ正確な脂肪除去が必要な目の下のクマ(くま)や、皮膚自体の挙上効果が必要な中高年層の治療には不向で、皮膚弾力性に富んだ若年層の目の下のたるみのみがこのアプローチの適応となる。

それに比べて前隔壁(anterior-septum)アプローチは、隔壁前部からアプローチするので、目の下のたるみの直接的原因である眼窩脂肪前部(可動域を有した先端部)に直達するため、過不足なく余剰時脂肪を正確に除去することが出来る。したがって後方アプローチよりも治療適応が広がるのみならず、後述の如く眼窩脂肪支持組織を操作することで、後隔壁(retro-septum)アプローチでは不可能だった目の下のクマ(くま)や、皮膚自体の挙上が必要な中高年の目の下のたるみもこのアプローチで治療可能となる。

またこのアプローチでは、正確な脂肪除去が行えるため再発の可能性が少ない。ただしこのアプローチからの手技は、皮下支持組織の適切な操作が必要であり、後隔壁(retro-septum)アプローチよりも困難となる。前隔壁(anterior-septum)アプローチを用いて良好かつ安定した結果を得るには多くの症例経験が必要となる。

表-1

特徴

メリット

デメリット

前隔壁アプローチ

欧米諸国、当クリニックで用いられる

除去脂肪量が正確

すべての症例に対応

再発なし

手技獲得が困難

後隔壁アプローチ

いわゆる”脱脂法”で用いられる

手技が容易

除去脂肪量が不正確

限られた症例のみ

再発の可能性あり

目の下のたるみ治療について
目の下のくま治療について

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