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美容外科ブログ

2025年3月22日
SNSの功績と原罪-3

これまで2回に渡ってSNSの有用性及びその問題点について語ってきましたが、ここでその内容を簡単にまとめると、1回目はSNSの歴史や今やこのツールがないと毎日の生活が成り立たないほど現代人はどっぷりとSNS依存する理由と、逆にそれによってもたらされるリスクについて説明し、2回目はそのリスクについて詳しく踏み込み、特に気付かぬうちにSNSが我々のプライバシー侵害している具体例を挙げました。。。

今回は本シリーズ最終回としてSNSの美容医療への影響・関係を述べますが、これまた偶然ですが僕がクリニックを開業した同時期(2005年)にSNS(日本では”mixi”)、YouTubeが誕生し、まだ産声を上げたばがりのSNSに僕は手を付けませんでしたが、その頃同時に始まった”ブログ”はすかさず開始し、そのブログをこうやって20年後の現在も継続していてますが、その間SNSは”雨上がりのタケノコ”の如くドンドン成長し、正直僕はその波に乗りきれなかったと認めざるを得ない状況になりました(>_<)

今から20年前ですら銀座には既に多くの美容系クリニックが存在し、当時僕の銀座・開業計画を知人医師たちに話すと、即座に「それは自殺行為に等しい。。」と言われ、つまり、銀座のように美容医療激戦地区で新規開業しても成功は大変難しいと暗に忠告された訳ですが、開業当初はそれこそ死に物狂いでネット(ホームページ)更新、診察、手術と頑張り続けた結果、運も僕の味方をしたのかこれまで順調にやって来れましたが、それ以降今も多くの美容クリニックが銀座に新規開業を試み、その結果、銀座では美容医療の完全なる供給過多状態がずーっと継続しているのです(O_O)

そんな美容医療クリニックに激しい向かい風が吹き続ける中、集客の強力な味方になっているのがSNSで、インスタグラム、YouTube、TikTokに美容治療のノウハウ、ビフォーアフター(治療前後)写真を掲載しそれらを多くの人の目に触れさせ、特に若年層はビジュアル(見た目)に敏感に反応するので、SNSが非常に効率的な集客に繋がるようで、開業間もない若い医師たちは猫も杓子もSNS発信に邁進せざるを得ないようです。

ですがそこにまたSNSの落とし穴があり、何故美容でこれほどまでSNSへの発信が隆盛になっているかを鑑みると、それはコロナ前、過剰宣伝や故意に修飾して綺麗に見せる症例写真等のホームページ掲載に厚生労働省が規制をかけ始め、事実上ホームページ上でのビフォー・アフター写真掲載不可となった為、広告宣伝の逃げ道としていまだ規制の入らないSNSにこぞってビフォー・アフター写真を掲載するようになったのです。。

つまり現在SNSに掲載されてる症例写真等は無規制なので、症例写真などでは”フォトショップ”と呼ばれる写真修飾ソフトで如何様にもビフォー・アフター写真をいじれるので、その信憑性は必ずしも正しいとは限らず、それでも今や美容医療・発信ツールがほぼSNS依存なので、治療に興味を持つ人たちはSNS広告から選択せざるを得ず、美容医療提供者はもはや治療(手術)技術を磨くより、いかに集客に繋がる目を引く発信(広告宣伝)をするかに力を注がざるを得ないとった本末転倒な状況に陥っています。。

これもSNSの弊害であり、何故なら営利目的最優先とした美容医療クリニックがSNSを利用して患者誘導する発信をして患者さんをかき集めたとすれば、そういった新手のツールを用いずにコツコツ診療を真っ当な診療を行ってきたクリニック(医師)がその陰に隠れてしまうからで、残念ながらSNS隆盛の現状は当分続くでしょうが、SNS広告がすでに過当競争に陥り遅かれ速かれ終焉を迎えるであろうこと、その際には本当の治療技術が問われることをSNS依存する若い医師たちは知っておくべきでしょう。

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