2022年9月20日
格安ツアーで訪れた韓国、釜山
風光明媚な街、釜山 先日、連休を利用して韓国、釜山を訪れた。釜山は、日本から距離的に最も近い外国都市で、福岡出発の高速船では約3時間の距離にある。人口380万人、世界有数の港とともに発展した韓国第二の都市である。春真っ盛りの釜山、真っ青な空が広ろがった快晴の日、心地よい春風に色とりどりの草花が一面に咲き誇っていた。釜山に面した東シナ海はエメラルド・グリーンに輝き、釜山が豊富な自然に恵まれた街であることを実感した。 東京から釜山に行くには、距離的にずっと遠いソウルに行くより大変である。東京-ソウル間は、羽田(国内)空港から毎日数便あるが、釜山へはあまり便数がなく、成田(国際)空港まで行かねばならない。発着便数と成田までの移動時間を考えると、釜山のほうが距離的に近くても、ソウルに行くより時間的に遠くなる。ソウルに比べると、ややのんびりした感じのある釜山だが、港町ならではの情緒があるし、釜山港に水揚げされる魚介類がとても美味しいので、一度は訪れてみる価値がある。今回僕は、格安ツアーに参加してこの街を訪れた。アジアを格安ツアーで参加すると、面白い経験するので、その話をここで紹介しよう。 グループツアーの実態 アジアの国々に旅行する際、飛行機やホテルをばらばらに手配すると、パッケージで丸ごと頼むより必ず割高となる。だが、パッケージツアーにはそれなりの制約がある。前回、学会でソウルを訪れたとき、昼過ぎの飛行便で午後3時頃、ソウル・インチョン空港についたものの、その後、他の団体客が出そろうまで一時間近く空港で待つはめになった。空港からは、同じツアーに申し込んだ10人ほどのお客さんたちと、バスでそれぞれのホテルに向かったが、その途中、否応なしに免税店に連れて行かれる。ここでまた一時間ほど時間をロスする。夕方のソウルの渋滞は想像を絶するほどでひどく、ソウル市街に到達するのにその後また一時間かかった。ソウル市街では、お客さんをそれぞれのホテルに降ろしてゆくが、運悪く我々のホテルに到着するのは最後になった。結局ホテルに到着したのは夜の8時、半日以上を移動に費やしたことになる。旅行も“安いのには理由がある。”ので、こういった格安ツアーに参加すると、かなりの時間を無駄にすることになる。 今回の釜山旅行は同じ轍は踏まないよう、ある手を講じて時間を無駄にしないよう考えた。格安ツアーの場合、空港で我々を待つガイドさんが我々を待ち受けている。ガイドさんの役割は、ツアー参加客をそれぞれのホテルに案内すること。だが、実際には空港からホテルまで送る間、韓国で可能なショッピングや観光、マッサージ、エステ等を紹介し、その予約をしきりに取ろうとする。多分、予約を取ると、ガイドさんに仲介料が落ちるしくみになっていて、ガイドさんの大切な収入源になっているのだろう。そのしくみを前回の旅行で悟った僕は、格安で、しかも時間を無駄にしない旅行をしたいと思った。 ”ガイドなし”の格安ツアー? 空港に着くと案の定、ガイドさんがにこにこしながら僕たちの到着を待っていた。僕はガイドさんに「約束の時間が迫っていて急いでいます。申し訳ありませんが、ここで結構です。」と伝えた。ガイドさんはかなり慌てた様子だったが、彼女にある程度のチップを渡すと、僕の要求を承諾した。彼女は僕に「では、知り合いのタクシーを呼んでありますから、そのタクシーでホテルに向かってください。」と言った。全てを断るのは申し訳ないと思い、せめてそのタクシーで釜山市街に向かうことにした。タクシーの運転手は、僕たちにつたない日本語で、一生懸命話しかけてきた。普段、ガイドさんと運転手は二人ペアで、日本人たちに釜山観光のガイドを行っているのだろう。彼は自分のタクシーで釜山観光を行うよう、必死で僕たちを説得し始めた。僕は運転手に「わかりました。もし、必要であれば電話します。」と言った後、チップを多めに渡してタクシーを降りた。 このように、格安旅行に行っても、ガイドさんの勧誘をうまく断る術を知らなければ、その策にはまって、旅行の自由を奪われかねない。もしこういったことが煩わしければ、個人旅行を選択すべきであろうが、パッケージ旅行に比べると、かなり高くつく。少しでも安くあげ、しかも時間を節約した旅行にしたいのであれば、少々荒っぽいが上記のような方法をとる以外ない。もちろん、これまでアジアで経済的に優位だった日本国民として、アジアに旅行した際、節約ばかり考えていてはいけない。だが、いつまでも日本人旅行客が、いわゆる”かも”にされている時代でもないであろう。