2023年5月19日
第111回日本美容外科学会に参加して
ようやくパンデミックが終了し、今春から3年ぶりにほぼ全ての社会活動が正常に戻ったと言ってよく、毎年GW開けのこの時期開催される美容外科学会にもコロナ前とほぼ変わらない参加人数となり学会そのものも大盛況でした(^_^)
医療ではどの専門科目も必ず学会開催されますが、そもそも学会の意義は何か一般の方々に説明すると、学会は医師たちが一同に自ら行ってきた研究発表のみならず、企業にとっても最新機械等を展示し医師に知ってもらう場でもあり、要するに学会は医師にとって最新知識を学ぶための重要な集まりです。
確かに学会では、医師たちが普段から行う診療(手術)方法や成果を発表しますが、その診療に興味をもつ医療従事者たちがその場で質疑応答を繰り広げたりしながら、明日から自らの診療に役立てるのに参加するのです。
そして講演会場の外では、多くの医療器具、レーザー治療器やヒアルロン酸製剤等を扱う業者たちがブースを構えて出展し、そこを通りかかった医師たちにセールス・プロモーションする絶好の機会にもなるのです。
それと学会参加にはもう一つ大切な意義があり、それは同業他社(美容医療に従事する医師)たちの交流の場としての役割で、何故なら学会は原則的に年に一度のみ開催されるので、毎年一度だけは同業他社たちと挨拶を交わしたり情報交換したりと、まるで同窓会に参加しているようです(^_^)
特に僕の場合、クリニックに医師は僕しかおらず普段は”一匹狼”、完全孤独常態で診療を行っているだけに、学会という同窓会で同じ分野で仕事をする医師たちと年に一度でも交流出来るのは大変貴重で、普段は競合ともなる他院医師たちとも2日間の学会期間中だけは休戦状態にしてでも参加する価値はあります(^0^;)
今回僕は本学会長から学会発表を依頼され、その内容は顔面若返り手術の主役である”フェィスリフト”について講演しましたが、学会発表にはそれなりの準備が必要なので、数ヶ月前から診療合間に発表原稿作りしました。
学会発表は、ボランティア活動みたいなものでそれ自体になんら収益性等はないものの、実は発表準備が大変良い勉強となり、例えば今回僕はフェイスリフト歴史について調べたのですが、何故西洋でこの手術が盛んに行わるのか、そして現在米国のフェイスリフト手術数はなんと日本の100倍近いなど、改めて気づかされることが多々ありました(O_O)
と言うのも西洋人と東洋人では明らかに皮膚性状が異なり、簡単に言うと西洋人は東洋人のそれより薄くやや弾力性に欠き、顔にしわが出やすく顎周りのたるみが目立ちやすいので、西洋人にとって顔の若さを維持するのにフェイスリフトは必須なのです。。
といったように、学会参加は他医師たちの発表に傾聴したり最新医療機器情報の入手にも大いに役立ちますが、実は自ら発表することでよりその治療・手術にコミット(傾倒)するチャンスにもなり得るので、また来年も本学会には積極的に関わってゆこう思いました(^_^)