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美容外科ブログ

2024年9月22日
幹細胞治療について

たまには真面目な医学系の話をしようと思い、今回は”幹細胞”の話題にしましたが、最近このキーワードは巷でもちょくちょく耳にする言葉であり、皆さんもちょっと気になると思うので、早速”幹細胞”とはなにか?、その治療の具体例について医師の立場からお知らせしますが、”幹細胞”は絶えず入れ替わり続ける細胞組織を保つために、失われた細胞を再び生み出し補充能力を持った細胞ことで、例えば組織が怪我・ダメージを受けたときに、失われた組織を補充する能力を持った細胞が必要となり、これらの細胞が”幹細胞”です。

さらに”幹細胞”の特徴は、体中の如何なる細胞にも分化(変化)出来る能力を持っていることで、例えば末梢神経が傷つけばそれを補う神経細胞に分化するし、皮膚損傷すると皮膚細胞に早変わり出来るので、この”幹細胞”の優れた能力に着目し、病気の治療やアンチエイジングに活用するトレンド(風潮)がこの10年ほどで急速に高まっています(O_O)

以前”幹細胞”は骨髄から摂取されていましたが、最近ではその含有量の多さや採取のしやすさから腹部・大腿部脂肪由来の幹細胞を用いた治療が一般的となり、なので脂肪吸引に馴染みのある美容外科医療でも、吸引脂肪を無駄に廃棄する代わりにそこから”幹細胞”を取り出し、アンチエイジングに有効利用する施設も増え始めているようです。

”幹細胞”は、肝硬変、糖尿病、脳血管障害、がん免疫治療、心筋梗塞、肌毛髪の老化防止、脊髄損傷、ED、視力回復、更年期障害、などなど、我々を悩ませる多くの病気や老化に応用出来る可能性を秘めており、もしそれが本当に有効であれば我々はまるで”魔法の薬・救世主”を手に入れたに等しいので、この治療に高い期待を寄せる人々が少なくありません。

さらに専門的な話をすると、幹細胞には上記のような体性幹細胞以外に、胎児性幹細胞(急速にからだを作る胎児性から得た幹細胞)やES細胞(受精胚)やiPS細胞(培養皮膚から遺伝子工学で作った幹細胞)などがあり、これらの幹細胞を用いて世界中でその研究が進められていますが、日本でも基礎研究分野で著名な成果を上げおり、例えばこの医療で腎臓細胞が再生可能となれば、人工透析患者さん(25.7万人、年間医療費1兆3,000億円)を救い出すとともに、増え続ける医療費削減にも多大な貢献をするので大いに期待されます。

最後に美容医療への応用についてですが、実はパンデミック前、中国富裕層たちがアンチエイジング効果を期待し、中国では法律上固く禁止されている本治療をそれが合法である日本で行うのがブームとなり、本治療を提供する施設も乱立しましたがパンデミックを挟んで現在のその数は減少したものの、それでもインバウンド富裕層が引き続きこの治療を求めて戻って来ているとのこと。

ただ自らの体性幹細胞を培養して、それを点滴投与で体内に戻す現行幹細胞治療の効果ですが、ある人は”元気になった、よく眠れる、肌が若返った!”など良い効果を主張しますが、ある人は”全く変化を感じない。。”など否定的なコメントもあり、あまりにも個人差がある賛否両論な治療でもあり、その効果の真偽を見極めるには血液検査など客観的データを検証すべきですし、アンチエイジングで一般的活用するには治療料金が破格とまだ時期尚早と言わざるを得ませんが、この興味深い”幹細胞”についてはまた最新情報を集めながらアップデートしたいと思います。

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