2023年4月10日
アルコール依存症について-2
前回は春のこの時期スポーツ観戦やお花見で人出が増え街中が賑わっていますが、特に今年は過去3年間パンデミックに悩まされ自粛生活続いていたせいかその勢いを僕は強く感じていて、その際の付き物がお酒だと前回のブログで語りました(^0^;)
お酒(アルコール)は自制しながら飲めたらとても楽しいし、特に普段からストレス・緊張に強いられた現代人にとってそのストレスを解消するのにこれほど優れたものはなく、だからこそアルコールはこれほどまでに我々の身近に存在するはずです。
ただ前回ブログでは人生を楽しくするのに大変役立つのみならず、現代人のストレス発散の特効薬ともいえるアルコールには実は恐ろしい一面、それはアルコールが有する強力な依存性であり、その強さは覚醒剤やマリファナ、そしてタバコに含まれるニコチンよりも、むしろ強いほどだとも前回お知らせしました(O_O)
なので我々はお酒を飲む際、”良薬口に苦し(良く効く薬は毒にもなる)”、もしくは”研いだ刃物は良く切れて危ない”との諺にあるように、つまりアルコールは適量であれば大変効果的であるものの、それを越えると危険極まりない劇薬であることを認識せねばなりません。
前回ブログでは僕が視聴したBBC(英国放送協会)作成のドキュメンタリー番組でアルコール依存症に陥った患者さんたちの悲惨な状況についてお知らせしましたが、今回はアルコールが有する依存性以外のネガティブ側面について触れたいと思います。
僕がアルコールの恐ろしさを垣間見たのは、救急医療に従事していた頃そこに運び込まれてきた急性アルコール中毒症に陥った10代後半男性患者さんの治療をした時で、彼は完全に意識喪失し瞳孔反応は皆無、つまりそのまま放置すれば死に至りかねなず、すぐさま点滴処置と胃洗浄を行って体内からできる限りアルコール除去せざるを得ませんでした(>_<)(>_<)
その処置の甲斐あってその患者さんは翌朝にはしっかりと目を覚まし、午後には退院出来るまで回復しましたが、急性アルコール中毒症に陥った状況を尋ねると仲間たちと”一気飲み”ゲームをしているうちに酔いが廻り、その後の状況は全く記憶がないとのことで、高濃度アルコールがいかに強力な中枢麻酔作用を有しているかを知らされました。
次にアルコールの慢性的悪影響ですがこれを語ると驚くほど、もしくは目をつぶりたくなるほど恐ろしい事実が次々と出てくる為、アルコール好きの人たちの夢を打ち砕きかねず今回は簡単に触れるだけにしようと思います(O_O)
その筆頭に挙げられるのが、(口腔・咽頭、食道、胃、大腸、肝臓)がんを誘発するアルコールが有する発がん性で、アルコール摂取しない人より、特にアルコールとともに喫煙習慣のある人たちは、その飲酒・喫煙量にもよりますが、統計的に癌発生率が2倍程度増加します。
また酒量の多い人たちで患いやすいのが膵炎で、吐き気や背中の痛みで初発しますが、放置すると糖尿病を誘発したり、さらにアルコール性肝炎へと進行するのも侮れず、アルコール性肝炎から肝硬変ともなれば黄疸や食道静脈瘤など命に関わる重篤症状を呈したり、さらに肝がんの温床となります。。
最後に晩酌習慣のある人、つまり毎日必ずお酒を嗜む人たちに伴うリスクがアルコール性脳萎縮症で、長年アルコール飲酒している方の脳をMRIで観ると脳萎縮を呈する場合があり、その程度が強くなるとアルコール認知症(呆け)を誘発すると言われています。
以上のようにアルコールには様々な健康被害リスクを伴うにもかかわらず、それを知らずに、もしくはそれを忘れてついつい飲んでしまうのがアルコールの怖さですが、お酒はあくまでも嗜む程度にすべきことを、賢い読者の皆様はお気づきになって頂けたかと思います。。