2024年3月10日
最近読んだ興味深い本
最近僕は英語論文に取り組むことが多く、そのためには出来るだけ英語・暴露環境の維持が肝心で、何故なら日本語で”モノを考えそれを英語翻訳するより、英語で考えて直接書いた方がよほど効率良く、特に英語読解(読書)すると語彙・表現力が強化されるので、極力日本語を読むのを辞め、慣れない英語小説等を読むよう心がけているからです(^0^;)
その代り日本の情報に疎くなりがちで、そこはネットサーフィンで”ササッ”とニュースに目を通すものの、そこから得られる情報は極めて内容が薄かったり、好奇心を満たすだけの低俗なものが多く驚いていたところ、最近ある友人から日本のトップ生命科学研究者が、アンチエイジング最新トピックスについてまとめた書物を薦められ、久しぶりにこの日本語本を”一気読み”しましたがその内容が大変興味深かかったので、早速本ブログでその一部をご紹介したいと思います(^_^)
僕は今から30年近く前の大学院生時代、分子生物学(目に見えない、所謂”ミクロレベル”の生物学的事象を分析・解析する学問)を用いる研究をしていたので、この著者(分子生物学研究者)が語る内容は容易に理解出来、”は~、今の最新研究はこんなに進歩しているんだ!!”と”目から鱗が落ち”ましたが、この先生(筆者)曰く、”現代社会を賢く生きる、生き残る?には最先端の生命科学情報を理解すべき”と強調しておりました(O_O)
その証拠に新型コロナウイルス・パンデミックが発生した際、様々な情報がネット・テレビを飛び交いましたが、それらの多くの情報で真偽の程が疑わしかったり信憑性に欠けていたにもかかわらず、ミクロレベル(目に見えない世界)で急速拡散するウイルス動向に全く疎い我々は、その情報を信じる以外に術が無く右往左往せざるを得なかったと筆者は鋭く指摘しています。。
それもそのはず、人類がこれまで遭遇したことのない未知ウイルスが急速拡散し、つまり、その動向は最先端研究者たちですらハッキリ分からず、想像・推測で意見を述べる以外出来なかったからで、今後も起こり得るであろうこのような不測の事態に賢く立ち回るには、ある程度の生物学知識を身につけ自分で判断するしかないとのこと。。
さて、この本を読んで僕が真っ先に驚いたのは、生物界にはなんと老化しない生物や、更に”不老不死・若返り”能力を有した生物(例えば”ベニクラゲ”)が存在することで、僕のように医学・生物学に日々”ドップリ”浸かった人間ですらこういった真実を知らないのですからきっと一般人は尚更なはずです(O_O)
さらに”老化と死”は全く別物、つまり、老化してその延長上に死があるとは限らず、死の直前まで老化せずに若い個体と全く見た目も変わらず、しかも死ぬ直前まで生殖(子孫繁殖)能力を維持している生物も存在し、例えば”アホウドリ”、”カメ”、”ネズミの一種(ハダカデバネズミ)”等が死の直前まで老化とは全く無縁で、見た目も若い個体と変わらないのです。
従来まで我々の常識では”老化して体が弱り、その結果死が待っている”と信じて疑いませんでしたが決してそうではなく、では何故多くの生物が老化するかですが、それは長い生物の歴史上、老化するほうが子孫繁栄に有利だったからで、例えば外的に襲われる場合などは弱い子供たちが犠牲になる代りに、老化してもっと弱い個体が犠牲となり種の保存に貢献したのです。。
ただ人類は生物界のトップに君臨するようになり、もはや捕食(他の動物に襲われて食べられる)されるリスクも皆無となり、老化して弱い個体が若い世代の犠牲になる必要も無くなったので、つまり、老化する必要が無くなり始めたので、出来るだけ若さと健康を維持する為の”アンチエイジング”が台頭し始めているらしく、この本にはこういった”あっと驚く”ような興味深い事実が盛り沢山書かれていますから、興味のある方は是非ご一読することをお勧めいたします。