診察
正面、左右斜め45°から撮影した治療前写真の如く、両頬の膨らみとこの膨らみが原因で、軽度の頬下垂(たるみ)を認めます。その膨らみは写真に示された黄色矢印の如く右>左です。
また頬のたるみにより、軽度のほうれい線の発生を認め、その程度は写真に示された黄色矢印の如く右>左です。
経過
2006年10月頃、目の下のクマ(くま)治療に訪れた患者さんです。治療後、目の下のクマ(くま)症状は改善し満足していたようです。
20012年6月2日、その当時から存在していた頬の膨らみ(たるみ)が最近特に気になり、解決策を求めて来院しました。
治療方針
年齢が29歳と若く、頬のたるみ症状は軽度ですが、その原因は比較的多量の頬脂肪(バッカルファット)と診断しました。
治療は口腔内からアプローチする頬脂肪(バッカルファット)除去法が適切と判断し、治療を行いました。
治療後の評価
治療直後の写真を観察すると、口腔内から注入した局所麻酔剤(片側10ml程度)の影響で軽度腫脹が認められますが、すでに頬のたるみ症状やほうれい線の改善を認めます。また写真をよく観察すると、局所麻酔剤に含まれた血管収縮剤の影響で皮膚が白色化している部分もありますが、この現象は治療後数時間で元に戻ります。
治療1ヶ月後の写真を観察すると、頬のたるみ、ほうれい線ともに治療前と比較して大幅に改善しています。
従来まで頬のたるみ解消は、耳横で皮膚を切開し、その皮膚を引っ張り上げる、いわゆる”フェイスリフト治療”しかありませんでした。しかし目の下のクマ(くま)、たるみも皮膚がたるんでいるのでは、原因が下眼窩過剰脂肪が本当の原因です。それと同様に、頬のたるみも皮膚自体のたるみよりも、皮下にある頬脂肪(バッカルファット)の下垂が原因である場合がほとんどです。
本症例の如く若年層に発症する頬のたるみは、フェイスリフトよりも頬脂肪(バッカルファット)除去治療を優先的に行うべきです。また若年時に頬脂肪(バッカルファット)除去を行っておくと、中高年世代になった際に顕著になりやすい頬のたるみの予防となります。
また頬脂肪(バッカルファット)除去後に頬の窪みや凹みを危惧される方がいらっしゃいますが、本症例の如く適切な治療を行うと、そういったことは起こりません。その理由は、除去する頬脂肪(バッカルファット)は口角に下垂し、膨らんだ部位であって、その上部の平坦部から摘出するわけではないからです。