2022年9月19日
当クリニックで行う最新たるみ治療-1
はじめに
顔面を中心としたアンチエイジング(抗加齢)治療では、主にしわ、たるみを対象とする。しわはスキンケアやボトックスおよびヒアルロン酸などの注射で改善することが多く、必ずしも外科治療の対象とはならない。
たるみは図-1の如く、目上下と頬に発生し、その主な原因は脂肪による重みによる。したがって顔面のたるみは、これらの脂肪を適切に除去し、重みを軽減することが先決となる。
まず上眼瞼のたるみについて述べると、上眼窩脂肪の重みや皮膚自体のたるみが原因で上瞼が目に覆い被さると上眼瞼のたるみとして認識される。上眼瞼脂肪は薄く、上眼瞼全体に一様に分布しているので、これらの脂肪のほぼ全体を除去しても、へこみ等の問題を起こすことなく上眼瞼のたるみは改善される。皮膚自体が余剰化したるんでいる場合は重瞼ライン上で切開し、余剰皮膚を除去する。場合によっては眉毛下で皮膚切除を行う場合も考えられる。
次に下眼瞼のたるみについて述べると、下眼瞼脂肪は下眼窩奥深くから皮下眼輪筋直下まで前後に厚く存在している。この下眼窩脂肪を覆う眼窩隔壁が加齢とともに弛緩すると、下眼窩脂肪は前方に突出し、いわゆる”目の下のクマ(くま)、たるみ”として認識されるようになる。治療はこの脂肪を適切に除去することが先決となる。だが下眼窩脂肪が前方突出していない場合は、過度な脂肪除去は下眼瞼に凹み等を発生させることもあり、経験に基づいた慎重な治療が必要となる
頬のたるみは図-1の如く、頬脂肪、いわゆる”バッカルファット”の加齢による下垂がその主な原因である。治療はこの頬脂肪(バッカルファット)を十分に除去することで頬のたるみは大幅に改善され、上下眼瞼の治療を含めると図-2の如く顔面のたるみが解消される。